〜入浴について〜

入浴は、体の清潔を保ち、全身の血液の循環をよくする効果があるだけでなく、床ずれの予防にもなります。そして日本人にとって入浴は、一日の疲れを癒し、ほっとするひとときです。体の不自由なお年よりの方は、入浴用具をうまく利用し、人手のあるとき、時間のゆとりのあるときに入浴をします。

  家族だけでは介助の手が足りない場合は、ホームへルーパーや訪問看護婦に手伝ってもらい入浴するとよいでしょう。自宅の風呂に入れない場合でも、デイサービスやデイケア、移動入浴サービスなどを利用すれば楽に入浴ができます。


1.入浴方法の選択

方 法 本人および介護者の状況
自宅の浴室で入浴  ・入浴したい、入浴させたい気持ちがある
 ・何らかの方法で、浴室まで移動し、浴槽に出入りできる
 ・入浴中、座位でいられる
自宅の浴室でシャワー

 ・何らかの方法で浴室までの移動はできるが、浴槽への出入りはできない

 ・浴槽への出入りもできるが、介助の手が不足している

 ・シャワー中、座位でいられる

デイサービス
デイケア
 ・外出することをいやがらない
移動入浴サービス

 ・座位をとれない

 ・外出をいやがる場合




2.入浴方法の実際

移動方法 浴室内の移動 体を洗うとき 浴槽への出入り
伝い歩き



歩行器
浴室への出入り、浴室内での移動のための手すりを取りつける 立ち上がりやすい高さにセットしたシャワーチェアーに腰掛けて、体を洗う ・立ったまま浴槽をまたいで出入りできる場合は、出入りのための手すりを取り付ける。浴槽が深すぎる場合は、浴槽内に浴槽台を設置する

・腰掛けた姿勢で浴槽に出入りする場合は、麻痺していない側から出入りができるようにシャワーチェアーやバスボードを設置する

浴槽の縁が広い場合は、そこに腰掛けてから浴槽に入る。
四つ這い

いざり
洗い場が滑らないよう、冷たくないようにバスマットを敷く バスマットの上にすわる ・浴槽が浅く、本人の手足にカがある場合は、またいで浴槽に出入りする。浴槽への出入りのために手すりを設置する。浴槽内に滑り止めのマットを敷く

・浴槽が深い場合や本人の手足に力がない場合は、リフトを利用したり、介助者が一緒に浴槽に入って浴槽への出入りを介助する。それが無理な場合は、洗い場でのシャワーだけにする。
車椅子
(自走)
・足に力が入る場合は、浴室内への出入りのための手すりを取り付け、浴室内のシャワーチェアに移乗する

・足に力が人らない場合は、浴室内ではシャワーキャリーを使用
シャワーチェア、シャワーキャリーに腰掛けて洗う ・腰掛けた姿勢で浴槽に出入りできる場合は、麻痺していない側から出入りできるよう、バスボードを設置する
浴槽の縁が広い場合は、そこに腰掛けてから浴槽に出入りする

・上記が無理な場合は、リフトなどを利用するか、全介助で介助者も一緒に浴槽に入る

・それも無理な場合は、洗い場でのシャワーだけにする
車椅子
(介助)
居間から浴室までシャワー用車椅子を使用する シャワー用車椅子に腰掛けて洗う




3.入浴に使用する福祉用具の注意事項

手すり ・移動方法・障害の状態・浴槽の壁等に合わせて、位置・太さ・長さ・種類を決める。
シャワーチェア

・立ち上がりやすい高さに調節できるものを選ぶ。

・座位が安定しない場合は、背もたれのあるものを選ぶ。

浴槽台 ・浴槽の大きさ、深さに合わせて選ぶ。
バスボード ・浴槽の大きさに合わせて選ぶ。
シャワーキャリー、
シャワー用車椅子
・居室から浴室までの移動にも使用する場合、比較的車輪の大きいシャワー用車椅子にすると多少の段差なら乗りこえられる。
・浴室の広さ、出入口の幅、収納場所などを考えて選ぶ。
リフト ・高価なものであり、設置には場所を取るため、よく検討して決める。




4.浴室の改造について

・ユニットバスの場合、手すりは浴槽に直接つけるタイプか、または突っ張りポールを取り付けるとよいでしょう。

・浴槽が設置式の場合は、洗い場にすのこを設置し、洗い場と浴槽との高低差を少なくします。

・浴槽は半埋込式で、足を伸ばしたとき、足先が前方に届くものがよいでしょう。